Osumi

2024年1月18日

フェレットの脱毛

ご来院された動物さん

フェレット
6歳 避妊済み メス

ご来院の理由

「全身の毛が薄くなってきた」
「元気がない」

病院で見られた症状:

  • 背中・腹部の脱毛
  • 削痩
  • 陰部の腫大

Osumi

Osumi

いろんな動物さんのいろんな脱毛がありますが、今回はフェレットによくある脱毛です。

このフェレットさんの脱毛は2か月前から始まったそうです。

このフェレットさんは、年齢や症状から判断して最初に超音波検査を実施しました。
実は、フェレットでこのような左右対称で腰・腹部に広く現れる脱毛となると感染症よりは副腎疾患の可能性が高いと言われています。

腹部超音波検査において、右副腎は15mmと大きく腫大していました。通常のフェレットは厚さ3~4mmであり、6mm以上の場合は要注意です。
左副腎は正常サイズでした。

このような脱毛の場合、外部寄生虫の除外診断も必要なので、皮膚の検査は実施するようにしています。またこのフェレットに関しては元気食欲の低下が認められたため、血液検査も実施しました。

副腎疾患のフェレットでは以下の表のような症状が現れます。

症状 具体的な様子や原因
脱毛 尻尾、腰、全身など範囲は様々だが左右対称に進行する
外陰部腫大 メスのフェレットの性ホルモン異状で生じる。
排尿障害 オスの前立腺が腫大することによる。
体臭 皮脂腺の分泌亢進による。毛並みも悪くなる。
乳腺腫大 過剰分泌した性ホルモンで生じる。
貧血・紫斑 ホルモンの影響で骨髄抑制が生じ、再生不良性貧血が生じる。

脱毛や外陰部・乳腺の腫大は良く認められる症状ですが、その他の症状も認められることがあります。飼っているフェレットにこれらの症状が認められたら、動物病院で確認すべきです。

フェレットの副腎疾患は、内科的治療と外科的治療を選択します。
根治的な治療として外科を選択することが理想ですが、ぐったりしている、高齢であるなど麻酔をかけるリスクが高い場合は内科的治療を選択していきます。

今回のフェレットさんは、リュープロレリンという薬剤を注射することにより副腎ホルモンの分泌を生理的に抑える内科的治療を選択しました。
この療法は、内科療法の中でも治療効果が高くフェレットの副腎疾患ではよく選択されます。副作用も多くないとされています。

治療開始2か月

Osumi

治療開始2か月

Osumi

血液検査では大きな異状は無く、外部寄生虫も存在しませんでした。 そこで、月1回のリュープロレリンの注射投薬を繰り返して経過を観察していきました。

すぐに元気食欲は回復し、2か月すると体毛はかなり改善しました。
定期的に副腎のサイズを確認していますが、最初に直径15mmだった右副腎が、2か月で11mmに縮小していました。

サイズが退縮していることから、副腎腫瘍ではなく副腎の過形成を疑っており、今後もリュープロレリンの投薬と超音波検査による副腎のサイズの確認を行っていく予定です。