2024年3月12日
脂漏症とマラセチア皮膚炎
ミニチュアダックスフンド
3歳 避妊済み メス
「体の痒み、脱毛」
病院で見られた症状:
- 脱毛
- 全身のあぶらとフケ
- 腹部と前足の赤み
年齢はまだ3歳ですが、脱毛とフケ、あぶらっぽさが全身に進行していました。 痒みで腹部や手足は皮膚炎がひどく、部分的に出血をしていました。 (お腹の傷は半年前に他の動物病院さんで尿石症の手術を受けたものだそうです。)
脱毛部位の検査を行うと、マラセチアと細菌、それを貪食する好中球が大量にいました。 外部寄生虫の検出はありませんでした。
現状では、脂漏症とそれに伴うマラセチア性皮膚炎ということで診断していますが、「若いころから痒みがあった」「外耳炎も度々あった」などのお話しから、その裏に隠されたがなにかあるということが考えられるので慎重な対応が必要です。
脂漏症は、生まれつき脂っぽい体質(本態性脂漏症)と脂性を誘発する別の原因を持つ場合(続発性脂漏症)があります。犬では続発性脂漏症が多く、原因の解決が大切です。
主な原因 | |
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感染症 | 膿皮症、皮膚糸状菌症(カビ)、ニキビダニ、その他外部寄生虫 |
内分泌疾患 | 甲状腺機能低下症 |
アレルギー | 犬アトピー性皮膚炎、食物アレルギー |
飼い主様には まず抗菌性の強いシャンプーと保湿を高めるためにコンディショナーを 抗生剤の内服 痒み止め を徹底しました。 この子は、1歳ころには既に痒みはあったが、ここまでひどい皮膚状態ではなかったということでした。 背景に脂漏症を誘発する疾患がありえるとして、一度しっかりとしたマラセチアの治療を行った上で、根底にある持病の管理をしてみました。 飼い主様の管理も甲斐あって、3か月でかなり痒みもとれて発毛してきました。
初期には痒み止めも必要でしたが、マラセチアを減らすことができたら、徐々に飲み薬も減らすことができ皮膚の状態もかなり良好になりました。
痒みの辛さ、薬のコストダウンを考えると、スキンケアって大切ですね!