2024年12月1日
セキセイインコの皮膚病
セキセイインコ
1歳 オス

「顔の皮膚が荒れている」
「顔周りの痒み」
病院で見られた症状:
- 顔面の痂皮(かさぶた)

嘴を中心に、痂皮という古くなった皮膚や壊死組織が体表に大量に固まった状態が見られます。
この体表の痂皮の下の皮膚を剥がして顕微鏡で確認しました。
すると、体が丸く足がたくさん生えた虫体が多くいます。これは、トリヒゼンダニと呼ばれる寄生虫であり、この寄生性疾患は「疥癬症」と呼ばれています。

治療としてはイベルメクチン製剤を頸部に垂らして2週間様子を見ます。経過したら状態を確認して、複数回これを繰り返します。
今回のセキセイインコさんは1回目の投薬でも十分な効果がありかなり駆虫できたようで、治療は2回の投薬で終了しています。
痂皮も消えて綺麗な顔になり、痒みも落ち着きました。

このセキセイインコさんの体表の痂皮化は典型的な症状です。セキセイインコの体表にトリヒゼンダニは常在しているとされていて、皮膚病が発症する場合個体の免疫力の低下が疑われます。食事、環境によるストレス、併発疾患などに目を向け、免疫力が下がる原因が無かったかを確認することが大切です。
