Osumi

2025年9月24日

認知症による外傷を防ぐ

ご来院された動物さん

ミニチュアピンシャー
16歳 去勢済み オス

ご来院の理由

「顔の横から出血している」

病院で見られた症状:

  • 顔面からの出血(頬、口唇)
Osumi

 ご来院されたミニチュア・ピンシャーさんは、以前から自宅でものにぶつかる、ふらつくという行動を繰り返してしまう傾向がありました。
 年齢も高齢であり、原因は様々に考えられます。

  • 足腰と筋力低下それに伴う関節痛
  • 白内障の進行による視力低下
  • 老化による認知機能不全症候群(以下、認知症)

 行動を見ると、同じところをくるくると同方向に回る様子です。認知症であると言い切るのは難しいですが、このようなケースのために犬の認知症を評価するためのスコア票が複数提唱されています。質問項目を点数で回答して、合計の値がどのくらい高いかで評価します。
(今回のスコア票は、フードメーカーのPURINAより頂きました)

Osumi

 合計の値は26。これは評価としては中等度の認知症にあたります。
 白内障もあるため、「視覚刺激に対して反応は鈍い」という項目もスコアが高いですが、家の中で迷子になることは無く、周囲の刺激に過敏になったり恐怖心や不安が強くなることはない様子。
 その代わり、無目的な徘徊や旋回運動、粗相が多く、認知症の要素が強いということが判断できます。

 認知症の治療は、主に下記のものがあります。

  • 薬物療法
  • サプリメント
  • 食事療法
  • 生活環境の改善

今回は、「無目的な徘徊や旋回運動が多くなって」外傷出血につながったため、このピンシャーさんに合う生活環境の構築を心がけてあげる必要性がありそうです。

 室内での徘徊、旋回運動、横転を防ぐために市販の空気プールを用いました。
 ピンシャーさんの体調、体高に合うものを選ぶ必要性があります。 空気プールの中でくるくると回るものの、横転しても外傷を負わず、ある程度歩くと疲れて休みます。安全性が高く理想的な環境です。

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 管理を始めて3週間で、傷はすっかり良くなっていました。本人の体重も少しずつ上がっているところから外傷による疼痛も少なくなっているようです。
 認知症に対する対策はいろいろありますが、その子に合った生活環境の見直しが大切です。

Osumi

傷もなくなり、生活の中で疼痛が少なくなりました!