2025年12月10日
鳥の外耳炎
セキセイインコ
5歳 メス
「右耳が痛そう、腫れている」
病院で見られた症状:
- 右耳の腫れ、膿
「耳が腫れている」という主訴でご来院されているので、外耳炎が第一に疑わしい疾患になります。
しかし、実は臨床現場ではセキセイインコでの外耳炎は意外と珍しく、外耳炎で動物病院へ来るコンパニオンバードといえばコザクラインコが多いです。
このセキセイインコさんはどうでしょうか?
確かに、耳道の周囲まで広く腫れていてジュクジュクしています。
スワブを顕微鏡で確認したところ、細菌と好中球を確認しました。膿んでいます。真菌は混在していません。セキセイインコですが、明らかに外耳炎のようです。
外耳炎の治療は基本的には内服薬の投与になります。
抗生剤と抗炎症剤の入った外用薬の塗布を行うという経験的なお話もありますが、その効果や副作用ををまとめた統計的データは無いため積極的には行っていません。
細菌性の外耳炎は、抗生剤のなかなか効かず治療が長期化したり治療困難となることもあります。
そこで、どの薬がどのくらい効くかという検査を初期のうちに行い、薬を選択して治療をスタートすることが大切です。この検査を薬剤感受性検査と言います。
耳から採材した膿を検査機関に提出して検査してもらいます。数日かかるため、その間は広域抗菌薬として使われる薬剤を一時的に選択します。
今回はキノロン系の薬(オルビフロキサシン)を使用しました。
1週間の治療を終えましたが、外見上は良化しませんでした。セキセイインコさんも耳を気にしているそいうです。
薬剤感受性検査と評価方法
結果が返ってきたので確認してみました。
結果では、最初に使用したオルビフロキサシンは今一つの効果のようです。
そこで、有効性が高いと考えられるドキシサイクリンに変更しました。
ドキシサイクリンに変更してから右耳を気にする様子もなくなり、次第に炎症も治まっていきました。2週間後の診察では、まだ羽毛は薄いですが膿は無くなり赤みは引いています。
コンパニオンバードの外耳炎は長期的な投薬が必要になったり、難治性でありなかなか抗生剤の投薬が効かないことも多いです。
薬剤感受性検査はややコストがかかりますが、今回のセキセイインコさんのようにできるだけ早く正確な治療を発見するために、早期に実施するようにしています。
休薬から1か月の写真を
ご自宅で撮影してくださいました。
耳も良好とのことで、安心しました!


